最近、「バレーボールをやってみたい!」という子供がホンマに多く、毎日のように問い合わせが絶えません。
そのきっかけのほとんどが『ハイキュー!!』
「子供が『ハイキュー!!』大好きでバレーボールをやってみたいと言っているので…」という話を何度も耳にしました。
きっかけはどうでもいいと思ってます。「ハイキューが好きだから」「親・兄弟がバレーをやっているから」なにか衝撃的な理由なんてなくてもいい。
入口を一歩入ったら、そこからは『出会い』です。
ハイキューのかっこいいシーンを想像し、すぐにでもそれができるような気になって体験に参加します。
練習前にボールで遊んでいるところを見ると、ほとんどの子たちが、スパイクやジャンプサーブのまねごとをやってます。
バレーボールは『入口』が難しいスポーツのひとつだと思います。まず基本であるパスでつまづくし、スパイクもいざやってみると、どっちの足から出発するのか?いつジャンプするのか?そもそもジャンプってどうやったらいいの?と、マンガのようにはいかない現実に直面します。オーバーパスは突き指が怖いし、アンダーは腕が痛い…。
ハイキューも、バレーを始めたばかりの頃を描いてくれてたらよかったのに…(笑)
ただ、入口を一歩入ってくれたからには、バレーボールの楽しさや、興味をそそるのは指導者の腕次第!
練習すればできるようになるよ!という未来図を見せることが非常に大切だと思っています。小学生に対しては、「右手はこうで、足はこうやって…」と手取り足取り細かく教えるよりも、「遊んでるうちに、なんか知らんけどできるようになっちゃった」っていう指導が僕の理想で、そうなるよう日々考え、工夫しながら指導していますが、まだまだ発展途上です。
例えば右足を前にさせたかったら、自然に右足が前に出るような地点から出発させたり…。
スパイクジャンプが逆足にならないように、自然と踏み込み足が癖づけばいいなーと。。。
すでに順足の子には右だ左だと考えさせず、逆足の子にはあの手この手で…。
僕は、ゴールデンエイジ期の運動を大事だと考えていて、できるだけまんべんなく身体を動かして、成長期に備えたいと思っています。
ゴールデンエイジとは、6才〜10才くらいの時期で、なんでも吸収できちゃう文字どおり『黄金』年齢です。
ゴールデンエイジには諸説あって、文献によっては、1〜2才の差がありますが、だいたい小1〜小4くらいと思っておいていただけたら。
そして、このゴールデンエイジには、『プレゴールデンエイジ』(3才〜5才)、『ポストゴールデンエイジ』(10才〜14才)という前後の成長期間があり、僕は個人的に、発達前の準備、発達後のラストチャンスと解釈しています。
補足ですが、中学生の時期は心肺機能が最も成長する期間なので、持久力を鍛えるような有酸素運動に力を入れ、筋トレなどのフィジカルトレーニングは、身体が出来上がる高校生になってからが効果覿面(てきめん)です。
このブログを読んでいる方々のほとんどは、すでにゴールデンエイジを過ぎ去ってしまっているか、「もっと早く知ってれば…」って方が多いと思いますが、もし自分が子を持つ親となった時、知っておいて損はない知識です。
いわゆる『運動神経』というものは10才までに発達しきってしまいます。そして、発達し終わった運動神経をいかに使うかが、中学生以降ということになります。
「小1からバレーしてたから大丈夫」と思ったら大間違い。バレーボールほど、単純な動きを繰り返すスポーツはなかったりします。だからこそ、全身を使った運動が必要なので、誰と出会うか?が重要なのです。
左利きだからライト。背が小さいからレシーブがんばれ。背が高いからレシーブせんでいい。
そんな練習になっていると、運動神経が発達しきれません。
背が小さいのは今だけかも?今のチームでは背が高くても、進学したら小さい方かも?
勝利至上主義の色が濃すぎると、同じ動きを長く繰り返すので、柔らかい子供の身体は傾き、歪みとなって成長期に支障をきたします。
強豪チームでやってきた子も僕のレッスンに多く参加してますが、『応用』とか『対応力』というのが、ほんとに苦手で、やったことのない練習になると、まるで対応できない子が多いです。そして、できないことにはチャレンジ精神をも失くしていたりします。何もできなかった頃は、興味を持って失敗を恐れずトライしていたはずですが、まだまだ未熟な段階でできないことができないままでも気にしなくなってしまったらもったいないことです。
強いチームの監督さんだから安心と思わず、今の自分の子に何が必要か?を考えて、年齢や能力に合わせて選んであげてほしいですね。
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