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バレーボールで声を出すこと

コロナ禍の影響で、昨年の今頃「部活動中は、なるべく声を出さないで練習する」というガイドラインが教育委員会から下りてきました。


「チームスポーツを黙ってやれって意味わからん。声出さへん方が接触したりして危ないやん」と、『こっち側』の言い分を心の中で叫んでいましたが、言われたとおりにやらなきゃならないのが学校ってやつです(笑)


まあ、コロナのことは置いといて、『声』と『スポーツ』は非常に密接な関係にあります。


こと『バレーボール』に関しては、ボールを持ったまま移動したり、考える時間がないので、一瞬の間に判断し、仲間に伝え、行動しないといけません。


自分がどう動くのか、周りにどう動いて欲しいのか、短い時間に重要な情報を短い言葉で伝え、それを聞き取って動いたり…。たぶん、他のスポーツと比べて、最も短い時間に人に伝えて、最も短い時間で理解して行動しなければならないスポーツなのではないでしょうか?


バスケットボールやサッカーなら、ドリブルしながらコミュニケーションを取り、作戦を指示することができますが、バレーボールのラリー中に一旦止まることはできません。


なぜ「バレーボールなのか?」(なんでバレーボールをやってるのか?バレーボールのおもしろいところは?)を考えた時、この『一瞬の判断』が、他の競技にはないところだからだと答えます。


指導の中で『声』の重要さを伝えますが、なかなか声の出る選手はいません。


でも知っておいて欲しい。「声を出せば上手になるとは限らない。でも、上手な選手に声が出ない人はいない」ということ。


声の出ない原因のほとんどが、「なんて言ったらいいのかわからない」という理由。そして、技術に自信がないことからくる恥ずかしさかなと思います。


なので、まずは「いくか・いかないか」「オーライ!・お願い!」を必ず言うようにと指導しますが、それでも思うようには声が出ません。


次に指導するのが、見たものを口にすることや、自分の行動を口にすること。ボールが前に飛んできたら「前!」レフトに上がったら「レフト!」ブロックフォローに入ったら「フォロー入った!」


そして、『感想』です。自分のレシーブしたボールが短かったら「ごめん!短い!」これに、「カバーして!」まで言えたらさらにいいですね。そして、いいレシーブだったら「ナイス!」


いいスパイクが打てたら「ナイス!」、打った本人は良いトスを上げてくれたセッターに「ナイストス!」


セッターは「ナイスカット!」


もし、失敗だったら、「惜しい!」とか、「どんまい!」「次いこ!」


『いくか・いかないか』と『感想』をセットで口にすると、自然にもっと重要な情報を伝達できるようになってくるはずです。「ブロック2枚きてるで!」「クロス空いてる!」


男子バレー部あるあるな謎の声かけの代表が「ウェーイ!」ですが(笑)、代わりに重要な情報伝達ができるようになると、格段に強くなりますね。


技術的に自信が持てないことから声を出せないキミ。


ひょっとして下手な自分が声を出したら、『でしゃばり』と思われるんじゃないか?と不安がある??


じゃあ聞くけど、キミは自分より下手な子に「このヘタクソが!生意気な奴め!」とか思うのでしょうか?「ヘタなくせにでしゃばってんじゃねぇよ!」って思うんでしょうか?バレーだけじゃなく、勉強ができない子に「このバカが!」と見下すんでしょうか?


自分がもし下手な部類だったら、「(技術が)ヘタやねんから、声だけは一番になろう!」って思うし、上手な部類だったら下手な人に対して「ヘタやねんから、声くらいは人以上に出せよ!」って思います。下手やから声を出さない(出せない)ではなく、下手やからこそ声くらいは出して、チームに貢献したり、自分の頑張りを示すことが重要なんだと思います。


世の中、『できる子』と『できない子』で成り立っています。クラスには勉強できる子とできない子がいて、バレー部にもできる子とできない子がいるのは当たり前。そして、そのできる子もできない子も、等しくバレーボールを楽しむ権利があるのです。


そしてそれを見下したり、排除することはできないし、やろうとしていることに敬意を表さなければなりません。


小中学生は思春期なので、大きな声を出すことに『恥ずかしさ』がつきまとっている場合が多いのですが、自分の発した大きな声が、チームの1点に貢献できると思って、勇気を振り絞って欲しいと思います。


『声のエナジー』


あなたは信じますか??


僕の指導理念


「できないことを笑わない、知らないことをバカにしない。みんな最初はできない・知らないから始まっている」


そして指導した子たちも、同じ気持ちをもって、これからのバレーボール人生を歩んでいって欲しいと思っています。

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